香港出向日記

カレーとパイナップルを好きな男の香港出向体験談です

世界一忙しいのに、賃金が伸びない日本?~出向先での2週間を終えて~

台風と祝日により実質稼働が半分もあったかどうかも分からない香港ですが、私は初めて成果物を提出する機会がありました。顧客向けの市場動向アップデート資料で、過去のものの数値を最新に直したり、NYやロンドンが作ってメールで展開している情報を切り貼りするだけの簡単なお仕事だったのですが、やはり「フォーマットがずれていないか?」「誤植は無いか?」などかなり気を遣いながら提出しました。軽いですが、最初の一歩を終えて感じたことや、最近見たニュースで気になったことを書いています。

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セントラル→TSTへ向かうフェリーからの眺め。フェリーは約50円と激安。

1. 外資はあまり忙しくない?~英語を軸にしたネットワークと資料の共有レベルがすごい~

前述の通り、初めての成果物は他人が作った資料を切り貼りして整えるだけの簡単なお仕事だったのですが、裏を返せば切り貼りできる資料が事前に揃っており、その素晴らしさに感動しました。弊社の日本オフィスで営業をやっていた頃は、商品の説明以外の提案となると、自分で一から情報を調べ→グラフや表に加工→貼り付けして微調整ということを繰り返し、20枚程度の提案資料でもかなりの作成時間を要しました。

一方、出向先では外資で一般的なように、パワポのフォーマットや色遣いが全社的に統一されている上で、NYやロンドンが重要な経済イベントがある都度、サマリーをパワポにまとめて配信してくれます。香港での提案資料も英語なので、簡単な市場動向だけであれば、それを切り貼りして完了です(あとはロゴとかを顧客向けにカスタムするだけ)。

弊社では、一応「MSPゴシック+Arial」が標準フォーマットになっているのですが、部署によっては違うフォントや違うレイアウトのパワポを使用するのが横行しており、資料をまとめるのに苦労した記憶があります。暇な業界ではないのですが、少しでも時間を捻出するために、決まった形での情報の蓄積+発信+修正が継続され、グローバルベースで共有されている良さを感じました。あと、英語というのが強い。

2. 世界一忙しい日本のサラリーマン?~出向先の会社でも世界一忙しいのは東京オフィスらしい~

そんな出向先ですが、一番忙しいのは本社のあるNYではなく、東京オフォイスのようです。金融機関は顧客の最高意思決定者がCFO(財務責任者)になることが多く、香港やNYではCFOとこちらも役員レベルで案件のやるやらないがクイックに決まるようなのですが、聞いたところによると日本では、日本企業特有の「根回し」のために複数回の資料作成が必要な他、微妙に内容を変えたりする必要あり、時間がかかっているようです。

また、個人的見解ですが、弊社の特徴であるグローバルベースでの情報共有に、日本語という言葉の壁でうまく乗れていないのではと感じました。内容は当然同じものを使うのですが、都度翻訳する必要した上でパワポのスペースに合わせて表現を調整する手間が発生すると想定され、いかに短時間で済ませたとしても、切り貼りだけと比べた時に大きな時間の差になりそうです。

日本語使用が99%だった弊社日本オフォイスでも稟議書の細かい言い回しで時間を割いたことがかなりありましたね....稠密な村社会の行きついた先なのでしょうか。世界一忙しい?という小題にしましたが、OECD統計では平均値以下の労働時間らしいです。なんか違和感あります。

www.oecd.org

3. 最新の賃金統計が開示された件~中央値は300万円台?~

数日前に国税庁が2020年分の民間給与調査結果を公表しました。コロナ影響もあり、平均値は2019年度より減少。正規と非正規の給与格差は初めて縮小というのが要旨のようですが、男女の賃金格差やサービス業の低賃金等、構造的な問題は継続しています。

news.yahoo.co.jp

私がこの記事で気になったのは「平均」という言葉です。母集団が正規分布するのであれば、平均値に意味がある気がするのですが、実際には低所得部分に集団が固まっていますので、多くの方の体感は下の方に集まるはずですね。そこで、下から数えて真ん中はどこ?という「中央値」で考えてみると、おそらく300万円台になるのではと考えています。実際にそれを検証しているブログもありました。

年収で300万円台ですから、所得税社会保険料を差し引いたさらに厳しい実態は日本の中間層なのだと思います。

career-theory.net

平均給与の絶対値もここ10年どころか30年近く横ばいで、一生懸命働いているのにやるせないなという感じがします。私の大好きな橘玲さんは『上級国民/下級国民』の中で、平成は団塊の世代の雇用を守るために、氷河期世代が切り捨てられ若者の低賃金構造が出来上がったと記していました。ちなみに、令和は団塊の世代の年金を守る年代になるそうです。

 

個人的にも団塊の世代はあまり好きになれず、戦後復興もやっていない・大学紛争で暴れたくせに普通に会社に就職してサラリーマン・バブルは楽しい思いをした(バブルの責任を取ったのはだいたい戦前生まれ)・年金は若者の負担でフルにもらえる、という印象しかないです。半沢直樹にもこの手のことが書いてあったような。。。

friday.kodansha.co.jp

4. 香港の人から見るとなぜ賃金とGDPが伸びないか不思議なニッポン

賃金もGDPも伸びない日本ですが、そんな話を香港の方にしたら、「なんで?日本人は一生懸命働くのに。地震の後も会社に向かうじゃん」と真顔で言われました。私も生まれた頃が平成不況で、世の中が浮かれている、一生懸命働くと生活が豊かになるということを経験せずに生きてきましたが、この疑問を日本人は重く受け止める必要がありそうです。感覚麻痺している場合ではなさそうですね。ラーメンズもびっくりな不思議の国ニッポンです。

www.youtube.com

今度の衆院選では各党とも現金バラマキのポピュリズムを全面に押し出していますが、年金をたんまりもらい、コロナで仕事を失うどころか寿命が延びている高齢者も含む一律給付は意味合いの観点からもサッパリ理解できません。昨年の定額給付金も大半が貯蓄に回ったようですし。まあ、高齢者がマジョリティなので仕方ないですね。私も高齢者だったら、もらうものはもらいたいと思うはずです。

TST散策・HKTVmall利用レビュー

朝起きて仕事だと思っていたら、実は祝日だった香港。昨日まで台風が来ていましたが、久しぶりの晴れ間でもあったので、家の近くにある一大繁華街であるTsim Sha Tsui(チムサーチョイ・通称「TST」)を散策してきました。直近初めて利用してみたHKTVmallのレビューと合わせて記してみます。

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ビクトリアハーバーを臨むカフェにて1枚

1. 表参道+銀座+横浜のような街、TST

TSTは私の住む場所から徒歩15分ほどの場所にある一大商業地です。中心部には高級ブランドの路面店、ショッピングセンター、安宿が集う重慶大厦(チョンキンマンション)など様々な施設が密集しています。

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高級店が並び、銀座のような雰囲気

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少し歩くと、表参道のような雰囲気に


また、香港島側からのフェリーの到着地としても有名で、ビクトリアハーバーにも面していることから、買い物・カフェ・海辺でゆっくりと、ここで1日過ごせそうな印象を持ちました。

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TST側から香港島を見る眺め。横浜の山下公園みたいな感じ。

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イギリス統治時代の名残と思われる時計台。写真映えスポットのよう。

実は、先週の土日に引き続き、火曜午後~水曜にかけて台風が来ていました。久しぶりの晴れ間ということで多くの人が街に繰り出していました。今後、1人で過ごす休日が暇な時にはここに来て時間を潰すことにしようと思います。それにしても、人は多かったです。

2. TSTのドンキに感動

先日、近所のスーパーで買いものをし、品揃えのショボさに辟易していたのですが、TSTにはイオンとドンキという日本が誇るGMSが並んで出店していました。この日はドンキに行ってみたのですが、日本のドンキの機能に加え、生鮮食品も売っており、品揃えの良さに感動しました。

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ありとあらゆる物が揃うTSTのドンキ。店内の狭い感じは日本と同じ。

日本の調味料もついに手に入れることができましたが、やはり物価は高いですね。卵1パック300円はビビった。生鮮食品も高く、健康を維持する食事にはお金がかかるのが香港のようです。ちなみに、酒税が無いのでお酒はやたら安いです。

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卵高すぎ問題。物価の優等生とは。

3. HKTVmall利用レビュー~品揃えは良いが、配達に不便感~

台風が来た日は在宅勤務でしたが、終業後に少し時間があったので香港の有名なECであるHKTVmallを利用してみました。日本のAmazon楽天を足して2で割ったようなEC(EC側からの直接配送と出店している業者からの配送両方有り)で良い点と悪い点は以下の通りです。

<良い点>

  • EC直接保有と業者出店を合わせ、品揃えがとにかく豊富。同じ商品でも複数の出品あり、値段比較が可能。
  • 家電や雑貨の他、お水やインスタントラーメン等の生鮮以外の食品も取り扱いもあり、まとめ買いに便利そう。
  • 価格は実店舗より安い。今日、TSTで炊飯器を買おうとしたのですが、どの種類もHKTVmallの方が1,000円~2,000円ほど安く、実店舗で買うのを断念しました。

<悪い点>

  • 画面がごちゃごちゃして見にいくい。Amazonのシンプルさに慣れている私にはかなりしんどいですね。

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  • 配達が遅い(最短で4日後)。配達可能時間で選べる日も限定的で配達時間に幅がある。しかも配達が遅れる場合もしばしばあるということで、特にAmazonのような機動性を求めるのは違うようです。
  • Merchant Delivery(出店業者からの直接配送)の場合、HKTVmall経由のメール等ではなく、業者から直接電話がくるので面倒。
  • 少額購入だと配達料が高くつく。400HKD(≒6,000円)以下の購入だと配達料80HKD(≒1,200円)かかる。

リアル店舗での買い物と、香港のECをうまく使いこなして、快適な生活を早く実現したいものです。

セントラルに行って香港IDを申請してきた件

今日は弊社の香港支店に挨拶に行くとともに、香港での重要な身分証明となる香港IDの発行手続きを行ってきました。また、弊社の香港支店とIDを発行する入国管理局(通称"イミグレ”)ともに、セントラル(中環)にありましたので、その街の様子も記載してみようと思います。

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セントラルの街並み。久しぶりの晴れ。

1. 金融の中心地セントラルはとても綺麗

セントラルは香港島の中心部に位置する金融の中心地です。香港島側はイギリス領時代の面影が残っており、街並みも西洋っぽい印象を受けました。一度駅を降りると、各国の金融機関のヘッドクォーターがひしめき、街はビジネスマンで溢れています。

街が賑やかで下町っぽい九龍側とは違い、緑も多く、非常に綺麗だなという印象を受けました。何より、街を歩いていても頭上の室外機を気にしなくて良いのが素晴らしい・・・!また、セントラルには九龍側でも見かける2階建てバスとともに路面電車も走っていました。私は電車に乗るのが好きなので、いつかトライしてみようと思います。

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路面電車も走るセントラルの街並み

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緑が多くて綺麗

2. 香港ID申請は30分ほどで完了

遊びにいったわけではなく、メインの手続きはイミグレでの香港ID手続きに向かいました。弊社の事務員の方に念のため付いてきてもらったのですが、所要時間は30分程度、予約無しで完了します。大まかな流れは以下の通りです。

  • イミグレの8階に向かい、パスポートと(事前に記入していれば)申請用紙を提出。私の場合は事前に記入していませんでしたが、その場で申請用紙を貰えました。www.google.co.jp
  • 受付番号を渡されるので、待機して記入しながら面接を待つ。受付番号は「A or B or C+数字2桁」になっており、順番が来ると「B10→50」(B10の人は50のブースへ)といったような表示が出るので、面接部屋へ。
  • 面接①。申請用紙の提出、両親指の指紋採取、簡単な受け答え(香港iDは初めてですか?など)、写真撮影。写真は2回撮れて好きな方選べました(1発勝負の日本の免許証とは大違い)。申請用紙の内容を係員がパソコンに打ち込み、控えを出力。再び待機するよう指示あり。

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    申請用紙の控え
  • しばらく待つと再び番号とブース名で呼ばれ、再度の指紋採取と仮IDの受け取りがあります。また、この場で漢字名をIDに載せるかを聞かれますが、私は不要と答えました。仮IDには受け取り可能期間の記載があり、10日後から受け取り可能になるようです。

香港IDの発行手続きは他の方のブログにもたくさん載っており、以下も分かりやすいのでご参照ください。

munimuniblog.com

3. 久しぶりの晴れ間だった香港

先週の金曜日は雨(Black Rainが出ました)でしたが、土曜日には台風による風の注意報(レベル8)が出ました。これが出た場合には、街の機能はほぼ停止し、デリバリーも利用できなくなる他、バスも動きません。私も日本からの船便の到着予定日でしたが、延期になりました。雨だとBlack Rain、風だとレベル8で香港の機能は停止するようになっているようです。

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ちなみに、このような警報で配達が中止になった場合でも、配達業者や発送元からの能動的な連絡は特にないとのこと。台風の中でも交通機関や各種サービスがいかに機能しているかが重要視される日本との新たな違いを見つけた気がします。明日からは2週目も本格化します。どんな驚きに出くわすのでしょうか、、、

 

雨の日に感じた外資と日本企業の働き方の違い

出向先で働き始めて最初の1週間が終了しました。業務自体の本格化は来週以降で、まだまだ序の口だと思いますが、今回は香港で感じた働き方の違いを書いてみたいと思います。

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出向先のアオシスことカフェテリア。このメニューで100HKD(約1,500円)。

1. 雨の日にはオフィスに来ない社員

今週の金曜日には朝から雨が降っており、私が出社した時点では「Amber Rainstorm Siganl」(黄色予報)というものが出ていました。これは風雨の度合いを黄色→赤色→黒色の順に表したもののようで、黒色が朝から出ていれば安全確保のために、香港全体で出勤する必要はなくなるとのことです。よって、香港の人は雨が降っている朝は黒色の警報を心待ちにしています。この日も途中から黒色に代わり、「会社残る?家帰る?」という会話がされていました。因みに、台風に慣れ切った私からすると黒色の風雨でも大したことないです。

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香港の人が心待ちにする黒色予報。やばい雨が降るわけではない。

というわけで、朝から少し雨が降っていたのですが、出社するとオフィスには3分の1くらいしか社員がいません。コロナ以降でいつでも在宅勤務が整えられていることもあるのでしょうが、誰も何の連絡もなく、オフィスに来ない姿は日系金融機関でガチガチに管理されてきた私からすると、かなりの驚きでした。朝から私の右横に出社していた方もお昼過ぎには家に戻ってしまいました。

2. 地震の翌日にもオフィスに向かう日本のサラリーマン

一方、その日、日本は東京で10年ぶりの震度5の地震が発生した翌日にも関わらず、朝から多くの方が駅に迎い、駅が人で溢れていました。私が出向しているのが金融機関という個別の事情もありますし、その日には出社せずに在宅勤務された方も多くいたかとは思いますが、雨の日にがらんとしたオフィスの中で、Twitter上での出社に関する阿鼻叫喚を見ていると何とも言えない気持ちになりました。

日本企業は会社が家として共同体の機能を果たしてくれる一方で、会社は基本的に性悪説の下で社員を管理します。災害の翌日でも基本的には出社が前提ですし、在宅に切り替える場合には事前の連絡、有給には理由が必要、経費申請は上司の承認がいる、などなど。一方で、外資企業では社員が自立した1人の人間とされており、会社は共同体のように自分を守ってくれない一方で、必要なものは何でも与えてくれ、それを使うことに社員も何ら抵抗がありません。弊社では経費の支払いに使う会社名義のクレカは課長以上しか発行できない(若手に渡すと何に使うか分からない)ものでしたが、出向先では私も含めて全員に配布されています。まあ、普通の社員であれば変な使い方はしないよね?という発想のようです。

自立した社員の究極系がNetflixのようで、その社内文化が書かれた本は話題になりましたね。

 

 

3. 香港で働く人は不真面目?笑

日本ダメ!ということばかりでもなく、関連会社から同じ先に出向先に来ている日本の同僚によると、「香港オフィスは仕事が雑」とのこと。金融機関という特性上、顧客への提案書はかなり細かく、フォーマットを意識して作られているのですが、香港ではページの割り振りやフォントの修正などが不完全なまま顧客に送付されることもあるそうです。市場環境の違いもあったりしますが、雨の日には来ないことなども考えると少し不真面目なのかも?と思ってしまいます。

尚、香港も含めた仕事に対するスタンスの違いは以下の動画によくまとまっています。かなり誇張された部分もあるかと思いますが、受け答えが面白い。

www.youtube.com

4. 日本人としての特徴が強みになるかも

といった中で思ったことは「真面目に頑張る」という日本人としての特性は香港で強みになるかも?ということです。仕事は結果もそうですが、目立ったもの勝ちな世界でもあるので、雨の日にオフィスに来ない方と比べた場合に、時間にきっちりしている日本人の特性は良い意味で目立つのかもしれません。今後の上司の様子を観察していきたいと思います。

香港の物価が意外と高い~安いニッポンと資産形成に思いを馳せる~

初出社の週も残りわずかとなりました。最初にアサインされた仕事は先輩と一緒に内部手続きや契約書の作成をするもののようで、そんなに忙しくはなさそうです。隔離終了後から感じていた香港の物価に関して感じたことを書いてみます。

1. 前提として、日本は年々相対的に貧しくなっている

2年ほど前でしたでしょうか。日経新聞で安いニッポンという連載が組まれ、話題になっていました。生産性や為替相場の関係で海外対比で物価が上がらない日本では、長年にわたり物価が安く抑えらているデフレが続いていますが、望ましいことばかりではないという記事です。コロナ前の大量の訪日観光客も「日本が良いところだから」というよりは、「日本が安くてお得だから」来ていたようです。

 

最近でもTwitter上でアベノミクスによる円安誘導で日本の賃金が下がった(本来は円高になり、生産性向上が実現されるべきだった)という記事がぷちバズリした他、NHKでも各国の急激な景気回復に日本の購買力や賃金が追い付いておらず、コストプッシュインフレが起こっているという特集が組まれていました。日本は刻一刻と貧しくなっているようです。

 

www.nhk.jp

2. 香港の物価(主に食費)の体感~日本の1.5倍から2倍~

次に私が香港で購入した・食べたものの価格を整理したいと思います。相場は1HKD=16円で仮置きしています。どうでしょうか。少し高い感じがしませんかね?当然、香港ならではの事情があるとは思います。推測の域を出ませんが、農地や牧草地が無い、輸入に頼っている等の事情はありそうです。また、弊社社員との会食はクオリティの割に不当に高い感じがしたので、それも例外と見て良いでしょう。ただ、基本的には円換算で見た時に高いなーと感じることが多いです。日本の物価自体が上がっていないのもそうですが、円換算した時の衝撃が大きいことは多いですね。

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3. 安いのはブルーカラーの賃金のみか

一方で、バスの料金は私が使う路線の場合で5.5HKD(82.5円)、タクシーは1キロちょっとで約500円、香港では一般的なヘルパーさんの最低賃金は約4,000HKD(約6万円)と安い感じがします。これも推測の範囲を出ませんが、低賃金のブルーカラー労働者にささえられる部分はかなり値段が抑えられているのかもしれません。

ところで、よく物価の比較に使用されるビックマックインデックスでは、香港の方がドル換算のビックマックは安そうです。ただ、ドルが間に入っていることや、香港ドルの流通量の関係もあるので、これを以って香港の方が物価が安い!とは言えなさそうな気がしています(私の体感にも反しますしね)

www.economist.com

4. 資産形成の近道は海外への出稼ぎ?

最近、FIRE(Financial Independent Retire Early)が流行っていますね。日々の生活費を削り、積立投資に回しながら20年~30年で最低でも5,000万円程度の資産を形成し、仕事を辞めるというものです(仮想通貨・個別株・不動産で”上がる”やり方は再現性が乏しい気がしているので割愛します)。

ひと昔前はお金を貯めて、東南アジアの物価が安く温かい国に移住するなんて方もいましたが、日本が刻一刻と貧しくなっている現状を考えると、我々が年老いた頃にはそういう国々はむしろ割高に思え、日本に住み続けるのが経済的には合理的になるかもしれません。また、日本に居続けても賃金が上がることはこれからも無く、年功序列的な賃金体系もほぼ壊滅することを考えると、そもそもの賃金水準も高く、物価面での調整もあり、各種待遇で固定費が極限まで小さくお金を貯めやすい海外駐在は、我々サラリーマンに残された数少ない資産形成の方法なのかもしれません。もはや、途上国の方々が先進国に出稼ぎするのと何ら変わらないですね。

余談ですが、最近のFIREブームは金を貯めることそれ自体が目的になっていて、リタイアした後にどうする?人生100年もあるし、その後暇じゃねという議論が欠けている気がします。私自身もそれが分かっておらず、何かあるかもと思い、香港に単身乗り込んでいるのですが。。。。

隔離終了後の生活③~仕事の本格化・最後のPCR検査~

初出社も終了し、仕事が本格化しそうな気配が出てきました。仕事をしに来ているので当たり前ですが、香港の生活を楽しんでいるばかりもいられなそうです。また、コロナ対策の管理期間も終わりが近づいてきました。

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香港の七不思議。この洗濯物どうやって干してる??

1. 19日目に最後の検査~CTCでの実施が必須~

19日目は当初よりCTCでの実施が必須と言わえていたので、CTCに出向いてテストを受けてきました。16日目は予約をして行ったのですが、今回は予約無しでふらっと立ち寄る形で行ってきました。前回と同じように特に問題はなく、スムーズに検査を終えることができました。

また、隔離中より検体採取→結果まで全てSMSで伝達されてきます。今回の19日目検査では、検査を受けてから5分後にはSMSで検体登録が完了した旨が連絡されてきました。このスピード感とデジタルの活用には脱帽です。

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検査検体の登録と結果がSMSで届きます

2. 香港のバスは2種類あった~小さい方は利用が難しい~

19日目の検査は仕事に出ている間に、職場を抜ける形で行ったので、九龍駅からバスを利用して検査会場に向かいました。香港のバスには2種類(ざっくり大きいものと小さいもの)があり、私が通勤で利用しているのは大きいもので、今回は小さい方を利用しました。

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通勤で乗る大きいバス。Wifi付き。

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今回乗った小さいバス。「Public Light Bus」という名称のようです。


この小さいものは車両がマイクロバスで、かなりアットホームな感じです。乗ってくる方は広東語ばりばりのローカルの方ばかりで、運転手の方とかなり大きな声で喋っていました。降りる時には特に押しボタンも無いため、その停留所で乗ってくる方がいなければ、大きい声で「降りる!」的なことを言うか、降りることをアピールしなければなりません。気を強くいかないとダメでした。また、来る時間も読みにくいので、利用の際には注意が必要だと思いました。香港の方も「そのバスの時間を読むのは難しいね~~」と言っていましたね。

3. 仕事が本格化してきました

出社後のいろんな準備も終わり、いよいよ本格的な仕事にアサインされることになりました。弊社の仕事と関連性があり、大まかな仕事のイメージこそあるものの、実際の細かい点は分からない部分が多分にあり、しかも英語ということで不安だらけです。

また、今回初めてアサインされた仕事は他の金融機関とも協調してやる案件のようで、私に何かしらのタスクが割り当てられた場合には、他の会社の動向も見ながら納期を意識する必要がありそうです。

出向先は「分からないことは何でも聞いてね」という文化で、PCの細かい設定なども掲示板に投稿しておけば2日以内には、世界の他のオフィスの誰かが何かしらの回答をしてくれます。組織もフラットであり、日本的なハラスメントを心配する必要はなさそうですが、自分の仕事で迷惑をかけないようにしないと、、、と思う次第です。

ちなみに、私が出向した部署は中国の企業がお客さんになることも多いようで、働いている方も中国本土(よく「Main Land」と言います)出身の方が多く、業務中に飛び交っている言語は英語と中国語が半々です。中国系の方のEnglish Nameは未だに慣れず、めちゃくちゃ日本人っぽい顔の人は名前がJamesです。

4. 英語はやはりしんどかった~仕事中よりもカジュアルな場が厳しい~

仕事が少し遅く終わった日に若手の同僚がご飯に誘ってくれました。溶け込めるか不安だったので、嬉しくはあったのですが、食事中のカジュアルな英語がかなりしんどかったです。仕事中は特定の話題で決まっていますし、メールや資料の文字情報で文脈をインプットすることができます。

一方で、食事中の会話はあちこちに話が飛ぶほか、会話もフランクかつ早口になるので話についていく、理解しようとするので必死です。また、日本の飲み会でもそうですが、その場で機転の効いたことを言わないと場が持ちません。今回はかなり同僚も気を遣ってくれていましたが、私と別れた後に「あいつ英語イマイチすぎね?」と言われていないことを祈るのみです。。。

 

隔離終了後の生活②~出向先への初出社~

隔離が終了してから数日しか経過していませんが、早くも香港での「日常」が形成されつつある感じがあります。今回は一大イベントである出向先への初出社に関して書いてみたいと思います。

1. 初日朝、バスが時間通りに来ない

日曜日を街ブラで過ごし、いよいよ出社初日がやってきました。実は日曜日の内に、出社ルートを下見していたため、気持ち的には余裕がありましたが、それでも初日なので早めに行くことにしました。まだまだ蒸し暑い香港。スラックスとシャツだけでしたが、朝からじとっとした大気が体にまとわりつきます。私が住んでいる地域は九龍半島側で、イギリス植民地時代には地元の方が多く住んでいたところのようで、少し下町っぽさが残っています。したがって(?)、スーツ姿の通勤客は見る限り私だけのようで、少し浮いている感じありました。

オフィスまでは片道15分(徒歩5分+バス5分+建物内を徒歩5分)という感じでかなり近いのですが、バスが予定時刻を10分くらい過ぎてもきません。「まあ海外クオリティだし」と言い聞かせていましたが、せっかく早めに出たのが無駄になることや蒸し暑い中でバス停で待つこともあり、朝から少し消耗してしまいました。バスは15分くらい過ぎてから来ましたが、結局ついたのは当初行きたかった時間でしたね。

2. 九龍駅直結のオフィスへ

出向先のオフィスは九龍駅直結のオフィスビルに入っています。九龍駅はコロナ以前には、香港国際空港への玄関となっていたようで、なんと駅で飛行機のチェックインを済ませられるような空間が存在していました。

バスを降りたのが1階の路上、オフィス受付は8階にあるので、駅からオフォイスをかなり歩きます。写真撮り忘れましたが、途中には駅ビルのように飲食店や洋服の店が入っており、土日もここに来れば何とか過ごせそうな感じがあります。

https://www.elementshk.com/tch/elements/main

そんなことを考えていると出向先のオフォイスに着きました。サラリーマン人生第二幕が切って落とされました。

3. 誰も挨拶してくれない

受付で出向で来た新しい社員であることを伝え、仮のIDをもらい、オフィスフロアに迎いました。初日は直属の上司が休みだったので、一緒に仕事をする事務の女性の方がオフィス前で待っておいてくれました。日本では営業や企画は総合職の男性、事務や総務は一般職・派遣の女性という役割差別・身分差別が問題になっていますが、香港でも事務の方は女性の方でした。古今東西、事務の女性の方とうまくやっていけるかが、サラリーマンの仕事のしやすを決めるのかもしれません。弊社は総合職といえば9割男性ですが、出向先ではほぼ半々(考えてみれば当たり前)で、グローバルスタンダードを感じました。

事務の方に案内され、席に座りましたが、左の女性は朝から猛然とエクセルのシミュレーションをしており、右の男性もPCを睨んで難しい顔をしています。新しい日本人が来てもの珍しい感じがあるかと思いましたが、こちら側を一瞥もせずに仕事に集中しているので、私も挨拶することができませんでした。英語が得意だったら明るく話かけられたのか、、、?

4. カフェテリアはやたら綺麗

午前中はプリンタや電話の設定、フロアの案内やらで瞬く間に時間が過ぎました。昼食前に部長さん(出向先での役職はManaging Director、通称「MD」)とお話をしました。推定年齢50歳くらいの女性の方で、部屋にはお子さんと思しき少年の写真が飾ってありました。これもお恥ずかしながら、日系金融の弊社では女性の上司というものがほぼ無く、少し緊張していましたが、明るく気さく方で非常に安心しました。

弊社の役員と違いずっと部屋に閉じこもっているのではなく、機密性の高い話が無い場合には普通に平社員の横で、パソコンや電話をしている姿も印象的でした。MrやMsを付けて呼ぶこともまず無く、かなり組織はフラットな感じです。

昼食はオフィスの上の階にありました。普通のカフェ、サラダバー、定食的なやつまでたくさんのメニューがあり、支払いもオクトパスやクレカで可。とても便利な上に景色が最高です。しかも、私の大好きなパイナップルも入ったカットフルーツの詰め合わせまで売っていました!!!今後は残業の疲れをここで癒すことになるのでしょう、、、

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景色がやたら良い。家賃おいくら??

5. 英語は何とかなるような、ならないような(たぶんならない)

外資系の職場に行った感想として、1対1で話す分には英語は何とかなりそうな気がしています。相手もこちらの意図をくみ取ってくれますし、こちらも相手の顔色や文脈で話を理解することができます。ただ、語彙の不足は強く感じており、仕事場で中学レベルの単語の組み合わせでしか喋れない恥ずかしさは多分にあります。

一方、隔離中からではありますが、メール・システム設定など全てが英語なのは地味にしんどいです。まだまだ英語を英語のまま理解することができておらず、脳内での翻訳にエネルギーを使用しているのが正直なところです。また、周りで話される英語は全く聞き取れないです。数日後には本格的な業務にもアサインされるようで、まずは人間関係の形成を頑張っていきたいと思っています。余談ですが、いったんオフィスに入ると誰もマスクしてないです(通勤中はしているよう)